リフォームを計画するとき、費用の支払い方法として「ローン」を検討する方は多いのではないでしょうか。
リフォームに使えるローンには、大きく分けて「リフォームローン」と「住宅ローン」の2種類があります。どちらもリフォーム費用に充てることができますが、金利・担保の有無・返済期間・諸費用がそれぞれ異なるため、選び方を間違えると返済総額に大きな差が出ることがあります。
「金利が低いほうが得でしょ」と単純に考えがちですが、実際には工事金額の大きさや住宅ローンの残債の有無によって、お得なローンは変わってきます。
この記事では、リフォームローンと住宅ローンの違いを項目ごとに比較したうえで、工事金額別の賢い選び方、そして借り換え一体型ローンの活用法までをわかりやすく解説します。ぜひ最後までお読みください。
リフォームローンと住宅ローン。名前は似ていますが、中身はかなり異なります。
「なんとなく金利が違う」という程度の認識で選んでしまうと、返済総額で損をする可能性があります。まずは、金利・担保・審査・返済期間・諸費用という5つの観点から、2つのローンの違いを整理しておきましょう。
2つのローンの最も大きな違いは金利です。
無担保型のリフォームローンは年2.0〜4.0%程度、住宅ローンは年0.3〜1.5%程度が2026年時点の一般的な相場です。数字だけを比べると住宅ローンのほうが圧倒的に有利に見えます。
ただし、金利が低いからといって住宅ローンが必ずお得とは限りません。住宅ローンには諸費用(事務手数料・保証料・抵当権設定費など)がかかるため、借入金額が小さい場合は金利の差を諸費用が上回ってしまうケースがあります。金利だけでなく、トータルコストで比較することが大切です。
リフォームローンと住宅ローンでは、担保の有無や審査の仕組みも大きく異なります。
・リフォームローン(無担保型):担保不要。審査は比較的早く、最短で数日〜1週間程度。借入限度額は500万〜1,000万円程度が一般的
・住宅ローン:自宅を担保に入れる(抵当権の設定が必要)。審査は2〜4週間程度かかる。借入限度額は数千万円〜1億円規模まで対応
リフォームローンは担保が不要なぶん手続きが簡単で、少額の借入であれば手軽に利用できます。一方、住宅ローンは審査に時間がかかりますが、大きな金額を低金利で長期間借りられるのが強みです。
なお、リフォームローンにも「有担保型」があり、こちらは住宅ローンに近い条件(低金利・長期返済・高額借入)で利用できます。ただし、無担保型ほど取り扱いのある金融機関が多くないため、選択肢は限られます。
返済期間は、リフォームローンが最長10〜15年、住宅ローンが最長35年というのが一般的です。
返済期間が長いほど月々の負担は軽くなりますが、そのぶん利息の総額は増えます。反対に返済期間が短いと月々の返済額は上がりますが、利息の総額は抑えられます。
もうひとつ見落としがちなのが諸費用の差です。
・リフォームローン(無担保型):事務手数料が数千円〜数万円程度。保証料・抵当権設定費は不要
・住宅ローン:事務手数料+保証料+抵当権設定費+登記費用などで、合計数十万円かかることがある
借入金額が小さいほど、諸費用の比率が高くなるため、「金利が低い住宅ローンのほうが得」とは一概に言えません。次の章では、工事金額の大きさ別に、どちらを選ぶのが賢いかを具体的に見ていきます。リフォームローンの金利タイプについてはこちらの記事もあわせてご覧ください。固定金利型?変動金利型?なにを選べばいい?リフォームローン
リフォームローンと住宅ローンの違いがわかったところで、次は「自分の場合はどちらを選ぶべきか」を判断するステップです。
判断の軸になるのは、リフォームの工事金額です。金額帯ごとに、どちらのローンが有利になりやすいかを整理しましょう。
水回りの交換や内装の張り替えなど、工事金額が500万円以下のリフォームであれば、無担保型のリフォームローンが第一候補になります。
理由はシンプルです。500万円以下の借入では、住宅ローンの金利メリットよりも諸費用の負担のほうが大きくなりやすいからです。住宅ローンの事務手数料・保証料・抵当権設定費などを合わせると数十万円かかることがあり、金利差で得られる節約額を上回ってしまうことがあります。
一方、無担保型リフォームローンであれば諸費用は数千円〜数万円程度で済み、審査も早く手続きも簡単です。返済期間は最長10〜15年と短いですが、500万円以下であれば月々の返済額もそこまで大きな負担にはなりにくいでしょう。
たとえば300万円を金利3.0%・返済期間10年で借りた場合、月々の返済額は約2.9万円、利息の総額は約49万円です。手続きの手間と諸費用を考えると、このゾーンではリフォームローンに分があります。
工事金額が500万〜1,000万円のゾーンは、リフォームローンと住宅ローンのどちらが得かの判断が分かれやすい価格帯です。
このゾーンでは、住宅ローンの低金利による利息の節約額が徐々に大きくなり、諸費用を差し引いてもメリットが出るケースが増えてきます。ただし、住宅ローンの諸費用は金融機関によって異なるため、金利だけで比較するのではなく、「利息+諸費用」の合計額で両方を並べて判断することが重要です。
目安として、諸費用を含めた総返済額を以下のように比較してみてください。
・リフォームローン:借入額 × 金利(2.0〜4.0%) × 返済期間 + 事務手数料(数千〜数万円)
・住宅ローン:借入額 × 金利(0.3〜1.5%) × 返済期間 + 諸費用(数十万円)
金融機関の窓口やウェブサイトで返済シミュレーションを行い、具体的な数字を出して比較することをおすすめします。リフォーム費用の平均や内訳についてはこちらの記事もご参考にどうぞ。リフォーム費用は予算オーバーが40%⁉
フルリノベーションや大規模な間取り変更など、工事金額が1,000万円を超える場合は、住宅ローンの利用が有利になるケースがほとんどです。
借入額が大きくなるほど、金利差が返済総額に与える影響は大きくなります。たとえば1,000万円を借りた場合、金利が1.0%と3.0%では、返済期間20年で利息の差が約230万円にもなります。この差額は、住宅ローンの諸費用を差し引いても十分にお得です。
また、住宅ローンであれば返済期間を最長35年まで延ばせるため、月々の返済額を抑えながら大きな工事に取り組むことができます。中古マンションの購入+フルリノベーションを検討している方は、次の章で紹介する「借り換え一体型ローン」も合わせて検討してみてください。
リフォームローンか住宅ローンかの二択で考えがちですが、実はもうひとつの選択肢があります。それが「借り換え一体型ローン」です。
とくに住宅ローンの残債がある方にとっては、返済を一本化しながらリフォーム費用も低金利で借りられるメリットの大きい方法です。
借り換え一体型ローンとは、現在の住宅ローンの残債とリフォーム費用をまとめて、新しい住宅ローンとして借り直す方法です。「リフォーム一体型住宅ローン」と呼ばれることもあります。
たとえば、住宅ローンの残債が1,500万円、リフォーム費用が800万円の場合、合計2,300万円を新しい住宅ローンとして借り換えるイメージです。
リフォーム費用を住宅ローンの金利(0.3〜1.5%程度)で借りられるため、リフォームローン(2.0〜4.0%)を別途組むよりも利息の負担を大幅に抑えられます。返済窓口もひとつにまとまるので、管理の手間も減ります。
借り換え一体型ローンのメリットは、リフォーム費用を低金利で借りられることだけではありません。
現在の住宅ローンの金利が高い場合、借り換えによって住宅ローン自体の金利も下げられる可能性があります。「住宅ローンの金利引き下げ+リフォーム費用の低金利調達」を同時に実現できるのが、一体型ローンの最大の強みです。
たとえば、残債1,500万円を金利2.0%で返済中の方が、金利0.8%の一体型ローンに借り換えた場合、住宅ローン部分だけでも利息の総額を数百万円単位で減らせる可能性があります。リフォーム費用の800万円も同じ低金利で借りられるため、トータルの節約効果はさらに大きくなります。
中古マンションの購入とリノベーションを同時に計画している方は、最初から物件購入費とリノベ費用を一本化した住宅ローンを組めるケースもあります。金融機関によって取り扱いが異なるため、物件探しの段階で確認しておきましょう。
メリットの大きい一体型ローンですが、注意しておきたいポイントもあります。
■注意ポイント1.リフォームの工事見積書と工事請負契約書が審査時に必要になることです。住宅ローンの借り換え手続きとリフォーム計画を同時に進める必要があるため、金融機関への申し込み前にリフォーム会社と打ち合わせを済ませておく必要があります。
■注意ポイント2.借り換えに伴う諸費用です。抵当権の抹消・再設定の登記費用、事務手数料、保証料などが発生します。借り換えで得られる利息の節約額と諸費用を比較し、トータルでプラスになるかを事前にシミュレーションしておきましょう。
■注意ポイント3.返済期間のリセットです。たとえば住宅ローンの残り返済期間が15年だった場合、借り換えによって返済期間を再度25年や30年に延ばすこともできます。月々の返済額は軽くなりますが、利息の総額は増える点を理解しておく必要があります。
ローンの種類と選び方がわかったら、実際に申し込む前にもう少し確認しておきたいことがあります。
知らずに進めると「あの制度が使えたのに」「この条件を比べておけばよかった」と後悔することがあるため、3つのポイントを事前にチェックしておきましょう。
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)は、新築や中古住宅の購入だけでなく、一定の条件を満たすリフォームにも適用される場合があります。
対象となるのは、借入期間が10年以上のローンを利用して行う増改築・大規模修繕・省エネ改修・バリアフリー改修などです。年末時点のローン残高の0.7%が、最長13年間にわたって所得税から控除されます。
注意したいのは、返済期間10年未満のリフォームローンでは対象にならないという点です。返済期間を10年で設定するか、それよりも短くするかで、控除の適用可否が分かれます。
住宅ローンや一体型ローンであれば、返済期間は通常10年以上になるため控除を受けやすくなります。どのローンを選ぶかを考える際に、減税の適用可否もあわせて検討してみてください。補助金との組み合わせについてはこちらの記事もご参考にどうぞ。マンションでも使えるリフォーム補助金まとめ
住宅ローンには、契約者に万が一のことがあった場合にローン残高がゼロになる「団体信用生命保険(団信)」が付帯されるのが一般的です。
一方、無担保型のリフォームローンには団信が付いていない商品が多く、契約者に万が一のことがあっても返済義務はそのまま残ります。家族に負担を残したくないという方は、団信の有無も比較のポイントに加えておきましょう。
金融機関によっては、リフォームローンにもオプションで団信を付けられる商品があります。ただし、その分金利が上乗せされることが多いため、保障内容と費用のバランスを確認してから判断してください。
ローンを検討するとき、「まず銀行に行くべきか、それともリフォーム会社に先に相談するべきか」と迷う方は少なくありません。
おすすめは、先にリフォーム会社に相談して工事内容と概算の見積もりを出してもらうことです。金融機関に相談する際には、工事の内容と金額がわかる資料があったほうが話がスムーズに進みます。一体型ローンを利用する場合は、申し込みの段階で見積書の提出が求められるため、先に準備しておく必要があります。
また、リフォーム会社が提携ローンを扱っているケースも多くあります。提携ローンは金利の優遇や審査手続きの簡略化といったメリットがあることもあるため、「おすすめのローンはありますか」とリフォーム会社に聞いてみるのもよい方法です。
イエスリフォームでも、ローンのご相談を含めたリフォーム計画のサポートを行っています。「どのローンが合うかわからない」「見積もりとローンを同時に進めたい」という方は、お気軽にご相談ください。
リフォームローンと住宅ローンは、金利・担保・返済期間・諸費用がそれぞれ異なるため、「どちらが得か」は工事金額と自分の状況によって変わります。
500万円以下の工事であれば、諸費用が少なく手続きも簡単な無担保型リフォームローンが有利です。1,000万円を超える大規模な工事であれば、金利メリットの大きい住宅ローンが適しています。500万〜1,000万円の価格帯は、金利と諸費用のトータルで比較して判断しましょう。
住宅ローンの残債がある方は、借り換え一体型ローンという第3の選択肢も検討する価値があります。住宅ローンの金利引き下げとリフォーム費用の低金利調達を同時に実現できる可能性があるため、トータルの節約効果は大きくなります。
どのローンが自分に合うかを判断するには、まずリフォームの工事内容と概算の費用を把握することが出発点です。イエスリフォームでは、工事の見積もりからローン選びのご相談まで、リフォーム計画をトータルでサポートしています。「ローンも含めてまとめて相談したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。
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