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民泊リノベーションは何から始める?届出・消防設備・内装工事の準備を順番に解説

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  • 民泊
民泊リノベーションは何から始める?届出・消防設備・内装工事の準備を順番に解説

「民泊を始めてみたいけど、何から手をつければいいかわからない」。そんな声をよくお聞きします。

 

民泊の開業には、内装のリノベーションだけでなく、住宅宿泊事業法に基づく届出や消防設備の整備など、一般的なリフォームにはない準備が必要です。順番を間違えると、内装工事を終えたのに届出が通らなかった、ということも起こりえます。

 

この記事では、民泊リノベーションの準備を「届出→消防→内装工事」という正しい順番に沿って、ステップごとにわかりやすく解説します。住宅宿泊事業法のルールや消防設備の要件、費用の目安まで、これから民泊を始めたい方が知っておくべきポイントをひとつずつ整理しました。

 

開業準備の全体像をつかんでおくと、業者への相談もスムーズに進みます。ぜひ最後までお読みください。

民泊リノベーションは「届出→消防→内装」の順番で進める

民泊を始めるにあたって、まず押さえておきたいのが準備の順番です。

 

内装のデザインやインテリアに目が向きがちですが、法律や消防の要件を先に確認しておかないと、あとから大幅な計画変更が必要になることがあります。全体の流れと、前提となる法律の基礎を最初に整理しておきましょう。

なぜこの順番が大切なのか

民泊リノベーションで失敗しやすいのが、「先に内装工事を進めてしまい、あとから届出要件や消防基準を満たしていないことが判明する」というパターンです。

 

たとえば、消防設備の設置場所を考えずに内装を仕上げてしまうと、天井や壁を一部壊してやり直す必要が出てきます。届出の段階で用途地域の制限に気づき、そもそもその物件では民泊ができなかったというケースもあります。

 

「届出要件の確認→消防設備の整備→内装工事」という順番で進めることで、手戻りや無駄な費用を防げます。この順番を意識するだけで、開業までの道のりがぐっとスムーズになります。

住宅宿泊事業法(民泊新法)の基本ルールを押さえる

民泊を合法的に運営するための基本となるのが、2018年6月に施行された「住宅宿泊事業法」(通称:民泊新法)です(引用:観光庁「住宅宿泊事業法(民泊新法)について」)。

 

この法律のポイントは、大きく3つあります。

都道府県(または政令市・中核市)への届出が必須

年間の営業日数は最大180日まで(自治体の条例でさらに短縮されている場合もある)

・届出住宅には、台所・浴室・便所・洗面設備の4つが備わっていること

 

届出を行わずに営業すると、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。リノベーションを計画する前に、まずこの法律の要件を確認しておくことが出発点です。

旅館業法・特区民泊との違いを知っておく

民泊を始める方法は、住宅宿泊事業法(民泊新法)だけではありません。「旅館業法の簡易宿所営業許可」と「国家戦略特区の特区民泊」という2つの方法もあります。

 

それぞれの違いを簡単に整理すると、次のようになります。

・住宅宿泊事業法(民泊新法):届出制。年間180日まで。住居専用地域でも営業可能

・旅館業法(簡易宿所):許可制。営業日数の上限なし。ただし用途地域の制限があり、設備基準も厳しい

・特区民泊:認定制。一部の自治体でのみ利用可能。最低宿泊日数の制限あり(自治体により異なる)

 

年間180日の上限を超えて営業したい場合は、旅館業法の許可取得を検討する必要があります。ただし、許可制のため設備基準やハードルが高くなります。

まずは住宅宿泊事業法での届出を前提に準備を進め、事業の拡大を見据えて旅館業法への切り替えを検討する、という段階的な進め方が現実的です。

ステップ①:届出の準備と確認すべき要件

全体の流れがつかめたら、最初に取り組むのが届出の準備です。

 

「届出」と聞くと書類を出すだけのように感じるかもしれませんが、実際には物件が法律の要件を満たしているかの確認が先に必要です。ここをクリアしないと、そもそも民泊として営業できません。リノベーション計画を立てる前に、ひとつずつ確かめておきましょう。

届出に必要な住宅の4つの条件

住宅宿泊事業法では、届出住宅として認められるために、次の4つの設備が備わっていることが求められています。

 

・台所

・浴室(またはシャワー室)

・便所

・洗面設備

 

これらは「住宅」としての最低限の設備要件です。リノベーション前の物件にこれらが揃っていない場合は、工事で整える必要があります。

 

加えて、届出住宅は「人の居住の用に供されている(または供されていた)家屋」であることが条件です。オフィスや倉庫として使われていた物件をそのまま届け出ることはできないため、物件の用途履歴も確認しておきましょう。

用途地域と自治体の上乗せ条例を確認する

住宅宿泊事業法では、住居専用地域を含むすべての用途地域で民泊の届出が可能とされています。ただし、自治体ごとに「上乗せ条例」と呼ばれる独自のルールが設けられていることが多く、地域によっては営業できる区域や期間がさらに制限されています

 

たとえば、住居専用地域では平日のみ営業可とする自治体や、学校の周辺では営業を認めない自治体もあります。年間180日の上限が条例でさらに短縮されているケースもあるため、物件所在地の自治体の条例は必ず確認してください。

 

確認方法としては、自治体の担当窓口(多くは保健所や観光課)に直接問い合わせるのが確実です。物件を購入する前に確認しておくと、「買ったのに営業できなかった」という失敗を防げます。

家主不在型は管理業者への委託が必須

民泊の運営スタイルは、大きく「家主居住型」と「家主不在型」に分かれます。

 

家主居住型は、届出住宅に事業者自身が居住しており、宿泊者の滞在中も同じ建物にいるスタイルです。この場合は、事業者自身が宿泊者の管理を行うことができます。

 

家主不在型は、事業者が届出住宅に住んでいない、または宿泊者の滞在中に不在にするスタイルです。投資用マンションや遠方の実家を民泊にするケースはこちらに該当します。

 

家主不在型の場合、国土交通大臣の登録を受けた「住宅宿泊管理業者」への管理委託が法律で義務づけられています。管理手数料は売上の15〜25%程度が相場とされており、この費用を事業計画に織り込んでおく必要があります。

 

どちらのスタイルで運営するかによって、次のステップで必要な消防設備の基準も変わります。届出の準備段階で、運営スタイルを決めておきましょう。民泊開業の手続き全般についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。「民泊の始め方」必要な手続きと準備をわかりやすく解説

ステップ②:消防設備の整備と適合通知書の取得

届出の要件を確認できたら、次に取り組むのが消防設備の整備です。

 

民泊は「人を泊める」施設のため、一般的な住宅よりも厳しい消防基準が適用されます。内装工事に入る前にこのステップを済ませておかないと、完成後に追加工事が発生するリスクがあります。

民泊は一般住宅より厳しい消防基準が適用される

通常の住宅には、住宅用火災警報器の設置程度で足りますが、民泊施設は消防法上「不特定多数の人が宿泊する施設」として扱われるケースがあります。

 

この場合、一般住宅にはない以下のような消防設備の設置が求められます。

・自動火災報知設備(または特定小規模施設用自動火災報知設備)

・誘導灯(避難口や通路の方向を示すもの)

・消火器

・防炎カーテン・防炎じゅうたんの使用

 

どの設備が必要になるかは、建物の規模や構造、運営スタイルによって異なります。リノベーションの設計段階で消防設備の設置場所を組み込んでおくことが、追加工事を防ぐポイントです。

家主居住型と不在型で必要な設備が変わる

消防設備の基準は、前章で触れた「家主居住型」と「家主不在型」のどちらで運営するかによって大きく変わります。

 

家主居住型で、宿泊室の床面積の合計が50㎡以下の場合は、消防法上「住宅」として扱われます。この場合、住宅用火災警報器の設置のみで足り、自動火災報知設備や誘導灯の設置義務はありません。

 

一方、家主不在型の場合は、面積にかかわらず消防法上の「宿泊施設」として扱われます。自動火災報知設備や誘導灯などの設置が必要になり、費用も大きくなります。

 

なお、延べ面積300㎡未満の小規模な施設であれば、配線工事が不要な「特定小規模施設用自動火災報知設備」(ワイヤレス型)が認められています。大がかりな電気工事をせずに基準を満たせるケースもあるため、消防署への事前相談で自分の物件に適した設備を確認しておきましょう

消防法適合通知書の取得フローと費用の目安

民泊の届出を行うには、消防署から「消防法令適合通知書」を取得する必要があります。これは、届出住宅が消防法の基準を満たしていることを証明する書類です。

 

取得までの一般的な流れは次のとおりです。

・所轄の消防署に事前相談を行い、必要な設備を確認する

・消防設備の設置工事を実施する

・消防署に「消防法令適合通知書交付申請書」を提出する

・消防署の立入検査を受ける

・基準を満たしていれば、適合通知書が交付される

 

事前相談から交付までは、2週間〜1か月ほどかかるのが一般的です。費用は物件の規模や必要な設備によって異なりますが、特定小規模施設用の自動火災報知設備であれば10万〜30万円程度、通常の自動火災報知設備であれば30万〜80万円程度が目安です。誘導灯や消火器の費用も別途かかります。

 

消防設備の整備が完了し、適合通知書を取得できたら、いよいよ内装工事のステップに進みます。

ステップ③:民泊ならではの内装工事のポイント

届出要件の確認と消防設備の整備が済んだら、いよいよ内装工事のステップです。

 

民泊の内装工事は、一般的な住宅リフォームとは異なる視点が求められます。「宿泊施設として快適に使えるか」「ゲストと近隣住民の双方にとって問題がないか」という2つの観点を意識しながら計画を立てましょう。

トイレ・洗面・鍵など、宿泊施設として必要な設備

民泊として快適に運営するには、住宅としての最低限の設備に加えて、宿泊施設ならではの整備が求められます。

 

まず確認したいのが、トイレと洗面の数です。宿泊定員が多い場合、トイレや洗面台がひとつだけでは不便が生じやすくなります。ゲストの満足度やレビュー評価にも直結するため、定員に合わせた増設を検討しましょう。

 

また、宿泊室に施錠できる鍵を設置することも大切なポイントです。住宅宿泊事業法では宿泊室への鍵の設置は義務ではありませんが、ゲストの安心感やプライバシー確保のために設けておくことを強くおすすめします。

 

そのほか、Wi-Fi環境の整備、エアコンの設置(各部屋への個別設置が理想)、洗濯機の設置なども、ゲストの利便性を左右する設備です。インバウンド(訪日外国人)の利用が見込まれる場合は、多言語の案内表示やスマートロック(暗証番号式の鍵)の導入も検討するとよいでしょう。民泊向けリフォームの設備選びについてはこちらの記事もご参考にどうぞ。民泊を始めるなら要チェック!リフォームのポイント

防音・遮音対策は近隣トラブル防止の要

民泊運営で最も多いトラブルのひとつが、近隣住民からの騒音の苦情です。

 

宿泊ゲストは旅行中のテンションもあり、夜間の話し声やスーツケースの移動音が想像以上に響くことがあります。近隣からの苦情が続くと、自治体から改善命令が出されたり、最悪の場合は届出の取り消しにつながることもあるため、内装工事の段階で防音対策をしっかり講じておくことが重要です。

 

具体的には、次のような対策が効果的です。

・壁・天井への遮音材・吸音材の追加

・フローリングの遮音等級を上げる(遮音マットの敷設など)

・窓を二重窓(内窓)にする

・玄関ドアの遮音性能を高める

 

とくにマンションの場合は、管理規約でフローリングの遮音等級が定められていることも多いため、事前に管理組合への確認も忘れずに行いましょう。

費用の目安と年間180日上限を踏まえた収支の考え方

民泊リノベーションの費用は、物件の規模や工事内容によって幅がありますが、一般的な目安として300万〜1,000万円程度とされています。

 

内訳としては、消防設備の整備に10万〜80万円、水回りの増設や改修に100万〜300万円、内装仕上げ(床・壁・天井・建具)に100万〜300万円、家具・家電・備品の購入に50万〜200万円程度が目安です。

 

費用を投じる際に忘れてはいけないのが、住宅宿泊事業法による年間180日の営業日数上限です。365日フル稼働できるホテルや旅館とは異なり、民泊は最大でも年間180日しか営業できないため、投資回収のスピードは慎重にシミュレーションする必要があります

 

「内装にこだわりすぎて初期費用がかさみ、なかなか回収できない」という事態を防ぐには、リノベーション費用と想定される宿泊売上を事前にシミュレーションしたうえで、予算の上限を決めておくことが大切です。投資用物件のリノベーションにおける費用対効果の考え方については、こちらの記事もあわせてご覧ください。投資用マンション×リノベーションで資産価値を上げる ~成功のポイント~

まとめ|順番を間違えなければ、民泊リノベーションはスムーズに進む

民泊リノベーションの準備は、「届出要件の確認→消防設備の整備→内装工事」という順番で進めることが鉄則です。この順番を守るだけで、手戻りや無駄な出費を大幅に防ぐことができます。

 

届出の段階では、住宅の設備要件・用途地域・自治体の上乗せ条例・運営スタイル(居住型か不在型か)を確認しておくこと。消防設備の整備では、運営スタイルに応じた設備基準を把握し、消防法適合通知書を取得すること。そのうえで内装工事に入り、宿泊施設としての設備や防音対策を整えること。この3つのステップを順に進めていけば、開業までの全体像が見えてきます。

 

年間180日の営業日数上限を踏まえた収支シミュレーションも、計画の初期段階で行っておくと安心です。「思った以上に費用がかかった」「回収の見通しが立たない」という事態を避けるためにも、リノベーション費用と事業計画はセットで考えましょう。

 

イエスリフォームでは、民泊や投資用物件のリノベーションを数多く手がけてきました。届出要件を踏まえた設計プランから、消防設備の手配、内装工事まで一貫してサポートしています。「この物件で民泊はできる?」「費用はどれくらいかかる?」という段階からでも、お気軽にお問い合わせください。

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