マンションのリフォームを検討するとき、「住みながら工事できるのか、それとも仮住まいが必要なのか」は多くの方が気になるポイントではないでしょうか。
仮住まいとなると、家賃や引越し費用が余計にかかるうえ、生活リズムも崩れやすくなります。できれば住んだまま工事を終えたいと考えるのは自然なことです。
ただ、工事の内容によっては、住みながらでは生活に大きな支障が出たり、工事の品質に影響が出たりする場合もあります。大切なのは、「どこまでなら住みながらでいけるか」の境界線を事前に知っておくことです。
この記事では、住みながらできる工事と仮住まいが必要な工事を内容ごとに整理し、生活への影響や費用の比較、判断の基準までをわかりやすく解説します。ぜひ最後までお読みください。
「住みながらリフォームできるかどうか」は、工事の範囲と内容で決まります。
まずは、住みながらOKな工事・仮住まいが必要な工事・条件次第でどちらにもなるグレーゾーンの工事を整理しておきましょう。ご自分のリフォーム計画がどこに当てはまるか、確認してみてください。
部分的なリフォームであれば、住みながらでも十分に進められるケースがほとんどです。工事する場所以外の部屋で生活しながら、工事を完了できます。
代表的なのは、次のような工事です。
・壁紙(クロス)の張り替え:1部屋あたり1〜2日
・フローリングの張り替え:1部屋あたり1〜3日
・トイレの交換:1日(配管工事を伴わない場合)
・洗面台の交換:1日
・給湯器の交換:半日〜1日
・玄関ドアの交換(カバー工法):1日
これらは工事範囲が限定的で、生活に不可欠な設備がすべて同時に使えなくなることがないため、住みながらでも大きな支障なく進められます。
一方、次のような工事は仮住まいを検討したほうがよいケースです。
・フルスケルトンリノベーション(間仕切りをすべて解体し、ゼロから作り直す):工期2〜3か月
・住戸全体の間取り変更を伴うリノベーション:工期1〜2か月
・水回り(キッチン・浴室・トイレ)を同時にすべて交換する工事:工期2〜4週間
フルスケルトンの場合は、床・壁・天井がすべて撤去されるため、物理的に住み続けることができません。間取り変更でも、電気・水道が一時的にすべて止まるタイミングがあるため、住みながらの工事は現実的ではありません。
目安として「水回りがすべて同時に使えなくなる工事」や「住戸全体に及ぶ工事」は、仮住まいが必要と考えておきましょう。工事内容別の工期について詳しくはこちらの記事もご覧ください。マンションリノベーションの期間ってどれくらい?工事内容別の工事期間目安を解説!
実は、住みながらか仮住まいかの判断が難しい「グレーゾーン」に当たる工事もあります。代表的なケースを表にまとめました。
| 工事内容 | 工期の目安 | 住みながらの条件 |
|---|---|---|
| キッチンだけの交換 | 3〜5日 | キッチンが使えない期間をしのげるなら可能 |
| 浴室だけの交換 | 3〜5日 | 銭湯やシャワー付きジムで対応できるなら可能 |
| LDKの間仕切り壁の撤去 | 1〜2週間 | 他の部屋に退避できるスペースがあれば可能 |
| 2部屋以上の内装を同時に改修 | 1〜2週間 | 荷物の移動先が確保できるかどうかがポイント |
こうしたグレーゾーンの工事は、「工事中の生活への影響をどこまで許容できるか」が判断の分かれ目になります。次の章で、住みながら工事をした場合に生活がどう変わるかを具体的に見ていきましょう。
住みながらリフォームを進める場合、「工事中の生活がどうなるか」を事前にイメージしておくことが大切です。
漠然と「多少の不便は我慢すればいい」と思っていても、実際に工事が始まると想像以上にストレスを感じることがあります。工事内容ごとの影響を具体的に把握しておけば、心の準備も対策もしやすくなります。
キッチンの交換工事は3〜5日程度かかることが多く、その間は調理ができなくなります。
ガスや水道の接続を外す工程があるため、工事初日からキッチンは使えません。冷蔵庫は別の部屋に移動させるか、電源を確保して使い続けるかを事前に業者と相談しておきましょう。
この期間の食事は、外食・出前・コンビニ弁当が中心になります。カセットコンロと電気ケトルがあれば、簡単な調理やカップ麺程度は他の部屋でまかなえます。キッチンが使えない期間の食費は、1日あたり1,000〜2,000円ほど多くかかると想定しておくと安心です。
浴室の交換工事は3〜5日程度が一般的です。この間、自宅のお風呂は使えません。
対処法としては、近隣の銭湯やスーパー銭湯、スポーツジムのシャワーを利用する方法が現実的です。家族が多い場合は、1日あたりの入浴費もばかにならないため、近隣施設の料金を事前に調べておきましょう。
トイレの交換は通常1日で完了しますが、便器を取り外している数時間はトイレが使えません。業者によっては仮設トイレや近隣のコンビニ利用を案内されることがあります。トイレ工事を含む場合は、「何時から何時まで使えないか」を事前に業者へ確認しておくと慌てずに済みます。
住みながらのリフォームで最も負担が大きいのが、騒音と粉塵(ホコリ)です。
壁の解体や床の張り替え工事では、電動工具の音や振動が終日続くことがあります。在宅勤務をしている方は、工事中の日中は集中しにくくなることを想定しておいたほうがよいでしょう。
粉塵対策として、業者は養生シートで工事エリアと生活エリアを仕切りますが、完全にホコリを防ぐことは難しいのが実情です。小さなお子さんやアレルギーをお持ちの方がいるご家庭は、工事日中だけ外出するなどの対策を検討しておくと安心です。
また、工事する部屋の家具や荷物は別の部屋に移動する必要があります。工事エリアに加えて、荷物の退避先として最低1部屋分のスペースが必要になることも頭に入れておきましょう。
「住みながらは厳しそうだ」と判断した場合、次に気になるのが仮住まいの費用と段取りです。
仮住まいにはまとまった出費が発生するため、リフォーム計画の初期段階から予算に組み込んでおくことが大切です。準備の時期も含めて確認しておきましょう。
仮住まいの選択肢は、主に次の3つです。
・マンスリーマンション:月額10万〜20万円程度。家具・家電付きなので身の回りの荷物だけで入居できる
・ウィークリーマンション:1週間あたり4万〜8万円程度。2週間以内の短期工事に向いている
・実家・親族宅:費用がかからないが、家族全員で長期間住むには気を遣うケースも
マンスリーマンションは家具・家電付きの物件が多く、短期間の仮住まいには最も手軽な選択肢です。ただし、ペット可の物件やファミリー向けの広い物件は選択肢が限られるため、早めに探し始めることをおすすめします。
フルリノベーションの場合は工期が2〜3か月になることもあるため、仮住まいの費用だけで20万〜60万円ほどかかる計算になります。
仮住まいの費用に加えて、見落としがちなのが引越しと荷物保管の費用です。
仮住まいへの移動と、工事完了後の戻りで引越しは往復2回分が必要になります。近距離の引越しであれば、1回あたり5万〜10万円程度が目安です。往復で10万〜20万円かかることになります。
また、仮住まいに持ち込めない家具や荷物は、トランクルームなどに一時保管する必要があります。6畳分程度のトランクルームで月額1万〜3万円程度が相場です。
仮住まい費用・引越し往復・荷物保管を合計すると、1か月の工事でも30万〜50万円ほどの出費になることがあります。この金額をリフォーム費用とは別の予算として確保しておきましょう。仮住まいの探し方についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。リフォームに伴う仮住まいについて
仮住まいの準備は、リフォームの工事日程が決まり始めるタイミングで動き出すのが理想です。目安としては、工事着工の2〜3か月前から仮住まい探しを始めておくと余裕を持って進められます。
とくにマンスリーマンションは繁忙期(3〜4月や9〜10月)に空きが少なくなるため、時期によっては希望の条件で見つかりにくいこともあります。
準備の段取りとしては、次の順番がスムーズです。
1.リフォーム会社と工事日程(着工日・完工予定日)を確定する
2.工期に合わせた仮住まい先を探し、契約する
3.トランクルームの手配と引越し業者の予約をする
4.仮住まいへ引越しする
5.工事着工
リフォーム会社に「仮住まいが必要になりそうか」を相談すると、工期の見通しに合わせたアドバイスをもらえます。計画の初期段階で確認しておくと、あとから慌てることがありません。
ここまで、住みながらの生活影響と仮住まいの費用を見てきました。では、自分のリフォームではどちらを選ぶべきか。判断に迷ったときは、次の3つの基準で考えてみてください。
最もわかりやすい判断基準が、工事の範囲と工期です。
水回りが同時にすべて使えなくなる工事や、工期が2週間を超える工事は、仮住まいを選んだほうが生活の質を保ちやすくなります。反対に、1部屋だけの内装工事や設備の部分交換であれば、住みながらでも大きな問題にはなりにくいでしょう。
迷いやすいのが工期1〜2週間のグレーゾーンの工事です。この場合は、次の2つの基準もあわせて総合的に判断するのがおすすめです。
「住みながらのほうが安い」と思われがちですが、実はそう単純ではありません。
住みながら工事を行う場合、生活エリアと工事エリアを仕切るための養生が追加で必要になります。養生費は工事内容によって異なりますが、数万〜10万円程度が上乗せされることがあります。
また、住みながらの工事は作業できる時間帯や動線に制限が出るため、仮住まいに出て空の状態で工事するよりも工期が長くなるケースがあります。工期が延びれば、その分の人件費が追加されることもあります。
仮住まいの費用と、住みながらの場合の追加費用(養生費・工期延長分)を並べて比較し、トータルでどちらが経済的かを見てみましょう。工事の規模によっては、仮住まいに出たほうが結果的に安くなるケースもあります。
同じ工事内容でも、住んでいる方の家族構成やライフスタイルによって、住みながらの負担感は大きく変わります。
たとえば、小さなお子さんや高齢のご家族がいる場合は、騒音や粉塵への影響が大きくなります。在宅勤務の方は、日中の作業音で仕事に集中しにくくなることも考慮が必要です。反対に、日中は家族全員が外出しているご家庭であれば、住みながらでも影響は比較的少なくなります。
「自分たちの暮らしにとって、どこまでの不便なら許容できるか」を家族で話し合っておくことが、後悔しない判断につながります。
最終的な判断に迷うときは、リフォーム会社に相談してみてください。工事内容と家族の状況を伝えれば、「住みながらでいけるか、仮住まいをおすすめするか」を経験に基づいてアドバイスしてもらえます。マンションリフォーム全般の注意点についてはこちらの記事もご参考にどうぞ。予算オーバー&トラブル回避!失敗しないマンションリフォーム
マンションリフォームを住みながら進められるかどうかは、工事の範囲と内容で決まります。壁紙の張り替えや設備の部分交換であれば住みながらでも問題ないケースがほとんどですが、フルスケルトンリノベーションや水回りを同時にすべて交換する工事では仮住まいが必要です。
キッチンだけの交換やLDKの間仕切り撤去のようなグレーゾーンの工事は、工期の長さ、費用のトータル比較、家族構成や生活スタイルという3つの基準で判断すると迷いにくくなります。住みながらを選ぶ場合は、生活への影響を事前にリアルにイメージしておくことが、工事中のストレスを減らすコツです。
「自分のリフォームは住みながらでいけるのか、仮住まいを用意すべきなのか」。この判断は、工事内容やご家庭の状況によって変わるため、リフォーム会社に相談するのが一番確実です。
イエスリフォームでは、住みながらのリフォームから仮住まいが必要な大規模リノベーションまで、幅広く対応しています。「この工事は住みながらできる?」「仮住まいの段取りも含めて相談したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。
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